藤色関係もよう

2





8月23日になってすぐの、真夜中


奈緒子を起こさないように
ベッドからするっとぬける。


キッチンの換気扇の前で、煙草をふかす。

ふーー、と煙と共に自分のなかにある嫌な部分もほんのすこし、
吐き出した気持ちになる。



ああ、リラックス。


奈緒子のことは決して嫌いなんかじゃない、


いつでも真っ直ぐで一生懸命、みんなのことが大好きで

自分のことも大事にしている。

とても可愛くて自慢の彼女だ。


それに絶対偽りなんてない、
ないけど、その分自分がどれだけズルいのか、中途半端なのか、うわべだけなのか、
思い知らされる時がある。


奈緒子はそんなこと微塵にも感じてはいないのだろう。


奈緒子と仲の良い子達はどのように彼女と関係を築いているのだろう。
前から少しふしぎだった。


太陽のような奈緒子はサークル内ではもちろん人気者で、

歌もうまかったこともあり色々な人にバンドを組もうと誘われ、
たくさんのバンドを掛け持ちしていた。


でも、継続はしない。


そんな感じでサークル活動に一生懸命だった。




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