藤色関係もよう
そんな奈緒子が珍しく、一年以上続いている3ピースのガールズバンド。
どんなバンドなのだろう。と去年バンドの存在を知り、気になった。
三人のライブを見に行った時、びっくりした。
大音量のバンドなのに、どこか見ていて儚げで、危なっかしくて、
直ぐに壊れてバラバラになっていきそうな三人の音。
でも、奈緒子の力強くみなぎる声とギター、そのくせしてどんなに高音でも滅多に外さない音感、
彼女のいない、空いた箇所を埋める二人のぴったりと息の合ったサウンドや
ちょっと物足りない、もっと聞きたいのにと思わせる曲の構成や長さの配分、
まるで小説や童話を聞いているようなふわふわした歌詞。
すべてのバランスが絶妙だった。
それと、お互いを尊重しあっているのが見てとれた。
でもみんな人見知りなのか口下手なのか、MCはドヘタで。
全然言葉では伝えられない子達なんだなと、
そのぶん音楽で伝えているんだ、もっと彼女達が創り出すものをこの目でみたい、と思わせる。
どちらかというと男が多く、サークルで良く使われていたホールに立つ彼女たちは、
余計に小さく頼りなさげに見えて、
なんだかほおっておけないバンドだった。