藤色関係もよう


「おい、奈緒子。」


ちょっと傷付いたぞ、いま。



「喉乾いた、水ちょうだい。」



なんなんだこいつは、と思う反面しょうがないなと思う自分もいて、

ペットボトルの水を手渡すと、不満足そうで、




「なーこ?」



「、、、、」




「、、、口あるだろ?ちゃんとしてほしいことは口でいいな?」




「、、、、、、口移し。」





彼女はどこまでも可愛いいきものだなとおもう。





「、、、、ヨクデキマシタ、」





水を口に含んで、布団にくるまって横たわっている奈緒子のために
ベッドに腰掛けたまま右手でベッドに体重をかけ、
身体を折って、水を飲ませてやる。


この少量のみずと、口付けで彼女を苦しめたい、苛めたい、溺れさせたい。



そんな気持ちに彼女はさせる、


いつもにこにこしていて人気者の明るい奈緒子の、
困ったり苦しんでいるかおを自分にだけ、見せてほしい。



そんな気持ちで彼女の上に跨がる。



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