藤色関係もよう
あごより少し長めの黒髪は、小さなこどものようにさらさらで、頭頂部にはきれいな天使のわっかが出来ていた。
「、、ふ、、はあ、、、、、ふーた、」
「、、、なーこ?どうしたの?」
だんまりを決め込む奈緒子。
「口あるだろ?ちゃんとしてほしいことは口でいいな?」
おれのことを、うるうると涙が浮かんでいる瞳ー息苦しさからかーで睨み付けている。
「分かってるでしょ?」
「分かんないよ、全然。」
「いじわる、ばか。」
怒ってる。怒ってるけれど、
次の瞬間、眉を下げて困ったような悩ましげな表情に変わる。
葛藤している。
「、、、もっと。、、、、その先ま、」
我慢をさせて焦らしたつもりが、自分も相当焦らされていたようで、彼女が喋り終わるまで待てなかった。
「かわいいね、なーこ。」
やっぱり彼女を好きなことに絶対、絶対偽りなんてない。