藤色関係もよう
そんな大切な時期だけど、奈緒子は今日、全然集中出来てない。ほんとうは私情を練習に持ち込むのはやめてほしいけど、今日は先輩の誕生日だし、まあしょうがない。
練習を初めてしばらくたってから、
「今日はここまでにしよっか?」
と、提案した。
「私も賛成。」
と鈴音。
「え、まだ時間あるよ?あゆちゃん、この後予定あるかんじ?」
大切な予定があるのはお前だろ、奈緒子。という言葉をのみ込む。
「なんか集中出来てないし、今日合わせる予定だったところまではなんとか出来たし、あとは個人で練習して詰めるのは来週にしない?」
「ごめん、私集中出来てないよね。ちゃんとやるから最後までやろう。」
奈緒子は頑固なのでいつもこういうとき退かない傾向がある。
「いや、今日風太郎先輩の誕生日でしょ?しょうがないよ。鈴音とリズム合わせたいし、今日は二人でやるから奈緒子は先輩祝う準備しなよ。」
と、きちんと伝えると
奈緒子はうーーーんと悩み始め、
最終的には来週倍以上に頑張ると、勝手に宣言して帰っていった。