銀髪と呪眼と赤い外套~夢の競演特別編~
馬鹿な。

あの巨人の全力で地面に叩きつけるというのか。

如何に強化の魔術を受けた乙女とて、それでは…。

「ぬ…うぅうう…」

俺は槍を支えに体を起こした。

痛む足に鞭打って、強引に立ち上がろうとすると。

「…っ…っっっ…」

左足からメキメキと嫌な音が聞こえた。

完全に折れている。

しかし、それでも構わず立ち上がる。

ガーラがその光景を見て唖然とした。

「強化の魔術を受けているとはいえ、ゴーレムの一撃を受けてまだ立ち上がるのか…英雄という奴は化け物だねぇ…」

「真の化け物の…貴様に言われたくはないな…」

何とか乙女を助けねばならない。

折れた足を引きずり、俺は前へ、前へと進む。

だが。

「立ち上がっただけでも誉めてあげるよ…無駄な努力だけどね」

ガーラの口端がつり上がった。

同時に。

「やれ、ゴーレム」

ゴーレムが乙女を地面に投げつける!!

そして次の瞬間…!!






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