鏡と瞳



もやもやと考えていたから
テンションが低かったらしい。
それに気づいた松葉は
何かあったのか、と心配してくれた。



「…海晴。」

「えっ、あ!名前!」


名前で呼ばれたことが嬉しかったのか
松葉の顔が明るくなった。
だけど、私の気持ちは落ち込んだまま。


皆と同じになっただけじゃないか。


また、独占欲。
どこまで独り占めしたがるんだろう、私は。



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