鏡と瞳
手を差し出すと、松葉の顔がパッ と
明るくなったのがわかった。
二人は初めて手を繋いで帰った。
「これから、こうやって帰ろ。」
「うん、そうしよ。」
このあとほとんど話さずに駅に着いてしまった。
手を繋ぐのって、緊張する。
緊張して会話出来ないなんていつぶりだろう。
いつも松葉がペラペラと話すから
何も言わない松葉の顔を覗き込むと
俯きがちの顔を上げられて見えなかった。
なんか、新鮮。
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