償いのprincess〜2度目の仲間〜《下》
私は崩れるようにしゃがみこんだ。
さっきまでの黒い空間はなくなり、今はしっかり応援の声が聞こえる。
立ち上がろうとするけれど、膝に力が入らない。
俊介は、私の元へ駆け寄ってきて私と同じようにしゃがんだ。
「なんだよ…あの技…」
俊介は悩み込むように顔を膝に埋めた。
私は何も答えられなかった。
「美帆にどんどん置いてかれる気がする。美帆は……美帆でいてくれ…!!!!」
俊介??
私はここにいるよ?
星闇にも、舞蝶にもなるけど、今の私は美帆。
変わるのは喧嘩の時だけ。
「俊介。この技については…完成したらちゃんと話すから・・・・・。
それに、私は私でしょ?」
違う。さっきは私じゃなかった。自分の中には三人の自分がいる。
「終わったあと…俊介と勝負したいって思ってたんだけど、この膝じゃ無理かな…」