死神のお仕事
その瞳の先
死神と人間は違う。
身体の構造も思考回路も、だからエネルギー源も違う。唯一同じなのは、見た目だけ…
「はぁ…」
私は、死神として頑張れるのだろうか。
生に縋り付いて意味に拘っているからこそここにいるのは私だ。それが正しい訳でも無いのに、勝手な固定概念でアラタさんの事を決めつけたのも私だ。
…それは私が人間だって事。とても人間らしいという事。だからそれは私にとってとても嬉しい事…なはず。
そうなはず、なんだけど。
カタカタと打ち込みを続ける手がつい止まってしまった。画面には文字と数がズラリと並んでいる。
これ一つ一つが魂に、そしてまだ見ぬ他の死神に繋がっているのだと思うと、改めて私は何なんだろうと考えさせられる。私は今、ここで何故こんな事をしてるのだろうかと。
…いや、生きる為にしてるんだけど。私を生かしてくれた母の意味、そして今日まで生きて来た私の意味、その為に私は死神になった訳で、だからこの仕事をする事は生きる為には必要な事なんだけど。それは分かってるんだけど、なんていうかその…
「場違い、みたいな…」