死神のお仕事
「〜む、無理ですよ!」
「なんで?」
「いやなんでって、そんな急に一人でなんてっ、」
「こないだ俺と行っただろ?」
「こなっ…い、行ったって、でもあれはそんな感じじゃ無かったしっ…え?まさかその為にあの日現場に…?」
「いつもながら察しの良い事で」
「‼︎ そ、そんな、そんな…!」
「まぁ俺直々に指導してやったんだから余裕だろ?後は頼んだぞ」
じゃあなと、端末をポイッとこちらに放ると、サエキさんは自分のパソコンに向き合って背中で行ってらっしゃいを私に告げた。…ウソだ、本当に?本気なの?
「あ、行くならその一番上のヤツがオススメだ」
「…そうですね、近いですしね…」
「あぁ」
「……」
「……」
「…い、行ってきます…ね」
「あぁ」
「……」
「……」
…とりあえず、もう何を言ってもダメだろう事は分かった。分かったから…行くしか無い。行くしか無いのか。