死神のお仕事


「へ⁈ …え、えっとその…私、その…」

「うん」

「あ、アラタさんの事…可哀想だなって」

「…可哀想?」

「それに、辛いなって、そんなのダメだなって…」

「ダメ?」

「…アラタさんは自分の命を生きてないって、思ったんです。そんなのダメだって…でも死神としては当たり前…というか、それまでが決まってる事は良い事だって聞いて…そんな感覚は私には無かったから驚いて…私、何も知らないんだなって思って」

「……」

「サエキさんにも、本人と向き合う気もないのに知った気になって、一方的にアラタさんの生き方を否定するのは違うって言われました。本当に…その通りだと思います。私、アラタさんの全部を知ってる訳でも無いのに、人間の価値観でしか捉えられてないのに、それなのに勝手にそんな風に思ったりして失礼な事してるって…」

「…うん」

「だから…だからその、もっと死神としての感覚を知りたいって、アラタさんの気持ちがちゃんと分かるようになりたいって、そう思いました。私はどっちでもあるはずなんだからって、どっちとしても生きるって決めたのにこれじゃダメだって…あぁすみません、本当に。本当に意味分かんないですよね、でもその…そういう事なんです…」

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