死神のお仕事


二人で進んだ先。目の前に現れたのは、真っ赤なそれ。見覚えのあるそれは、魂。


空中を不規則なリズム、幅、角度で上下左右するそれは、やっぱりフラフラとしているように見えた。

二回目でも、この間のものとは違うものでも、やっぱり感じる気配は同じもの。見た目も、感じる感覚も…


「ダメそう?」


惹きつけられるように目の前のそれを見入っていた私に、隣に立つアラタさんが声を掛ける。


ダメそう?…いや、そんな事無い。不思議な事に、自分にダメそうな気配がまるで無い事に、その言葉で気が付いた。


「行けます…行きます」


嫌悪感をこれっぽっちも感じない、とまではいかない。まだ二回目だし、そんなに期間が空いてる訳でも無いし、やっぱりあの時と同じように私の中では色んなものが渦巻いて大騒ぎしている状態だった。でもそれが、あの時のように私の気分を悪くする事は無い。

何故だろう、受け入れたいと思う気持ちがそうしているのだろうか。もしかしたら私の中ではもうすでに、受け入れているのかもしれない。

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