死神のお仕事

すると、少しムッとした様子のサエキさんから一言。


「つーか戻ったならまず、始めに言う事があるんじゃねぇの？」


言う事？言う事…あぁ、そっか。


「えっと、只今無事回収を終えて戻りました…」


で、合ってる？


「そうそう。ホウレンソウな」

「ほうれん草？」

「報告、連絡、相談。上司にはしっかりするもんだろ」

「…あぁ、なるほど」


そりゃあ私だってそれくらいの事は聞いた事があるけれど、なんだかやたら人間らしい事を急に言い出したりするよなぁと思う。サエキさんとの関係は私の知識の中にある上司と部下の関係、という認識で間違いないらしい。


「で？スッキリしたのか？」

「はい？」

「アラタの事。解決したんだな」

「え、あ…はい。えっと…お陰様で」


しれっとした顔で、知ってて当然の事のように振ってくるサエキさんは多分、先程のつい出てしまった言葉の通り、今回の件を企てた張本人で間違いないようだった。