死神のお仕事
「え?」
「人間としても死神に惹かれたんだろ?おまえが」
「え…?」
「だから死神の自分を受け入れるようになって、魂を食べる事が人間を捨てる事ではない、死神に近づく為の手段だっていう捉え方になって、魂を前にした瞬間、どちらからの自分もより強く求めるようになった結果、魅入られた。そういう事だろ?」
「……」
思わず、ポカンと口を開けたまま固まってしまった。だってあまりにも唐突に、簡単に、あっさりと答えを出すものだから…しかもダーっと羅列された言葉達が何故か完全に的を得ていて、なるほどそれだ!って、簡単に納得させられたりしたものだから…なんか、認めるのが悔しい。
自分の事なのにさっぱり分からなくて悩んでいた自分が馬鹿みたいだ。あんなに悩んだのに、一瞬で答えを出されて終わりだなんて…!
「そっ、そういえばカズサさんに会いましたよ!」
とても悔しいので、話を逸らしてみる。
「カズサ?…何、おまえカズサのとこも行ったの?」
「はい、行きました。会ったっていうか、見ただけですけど」
「そりゃそうだろな」
「その時、カズサさんとアラタさんの話も教えて貰いました。カズサさんに救われて、カズサさんと魂を交換したって話…」
「……へぇ、そう」