死神のお仕事
「あー…ね。そうかもしれないね」
「そうですよ、アラタさんも結局いつも無茶言われてますもんね。何かあるとすぐアラタさんに連絡してますもんねあの人。迷惑だからやめなって言ってるのに」
「え、言ってるの?」
「はい。そしたら返ってきたのが、『確かにそうだな。おまえが行けば良い話だもんな』とか言って!そのままリスト渡されて行ってこいですよ!」
「…あー…」
「酷いですよね、酷いですよね!別にそこの管轄の人に任せれば良いだけの話なのに!」
「…だね。うん、まぁそうなんだけどね」
アラタさんにこうして思う存分サエキさんの愚痴を聞いて貰う、これもまたサエキさんの人使いと同様に最近変わった出来事である。
すっかりアラタさんと打ち解けた私は、今ではアラタさんは同じ敵を持つ仲間だと思っているのだけれど、彼は今日も困ったように微笑んで、曖昧な返事を私に返すばかり。
…アラタさんは、不満に思ってないのだろうか。
「アラタさんだって困ってますよね?」
思わず確認するように尋ねてしまう私に、アラタさんは、
「うーん。まぁ何か訳があるんだと思うよ」
なんて、どこまでも良い人な彼らしく、どこまでもサエキさんを庇おうとする。
…いや、それが正しい対応なんだけど…
大人な対応で、何も間違ってはいないけれど…