死神のお仕事
言っている意味は分からない。賭けだとか、その結果だとか、さっぱり思い付く出来事すらない。でも、それなのに、私の中で感動が生まれたのは何故だろう。その声がとても温かく感じたのは何故だろう。
「…相変わらず、言ってる事が意味分からないよ」
「だろうな。それもまた管理の特権だ」
「…それが欲しいんだろうな、あの人は。あの人も意味が分からない事を言う」
「…そうか」
「ねぇ…じゃあさ、つまり食べるつもりは無いって事だよね?これ」
「あぁ。でもこれじゃない、あかりだ」
「あかり」
そしてぐるりと振り返った金髪のその人とバッチリ目が合って、私はまたギクリとして身を縮める。
「サエキさんが食べないならその分食べていい?」
「ダメだっての」
「なんで?全部食べないよ。少し貰うだけ」
「しつこいなぁ。じゃあ本人に聞いてみろよ」
「! え、そんなっ…」
ここに来て、まさかの裏切り。サエキさんの裏切りにその人はもしかしてと、期待するような表情でジッと私の事を見る。