死神のお仕事
そして、ジワリジワリと近づいてくるセナさん。ギラリと光るその瞳の奥に、嬉しそうなその表情。…と、いう事は、
「た、食べるんですか…?」
ゾゾゾっと駆け巡った悪寒。思い出される前回のやり取り。そして固まる、私の身体。なんで、どうして、固まってしまうんだろう。足がすくんで動かない、というやつなのだろうか。
じっと私を見つめるその瞳から、逃れられる気がしない。
「食べていいの?」
「だ、ダメですっ、」
「でしょ?だから我慢してる」
なんて言ったそばから、グッと顔を近づけてくる彼。
「変な匂いだよね。クセになる」
「!」
「でもサエキさん、もう少し帰って来ないよ」
鈍い光が強くなる。その感情に飲み込まれていく様がありありと分かる。彼の…セナさんの、スイッチが入る。
や、ばい…逃げないと!
「かっ、回収に戻ります!」