死神のお仕事
あぁっ!我慢してたのに!
今すぐ目の前の彼を跳ね除けたい気持ちが、大きな声になって飛び出してしまった。
そんな私の声に驚いたのか、言葉の内容に驚いたのか、セナさんは目を大きくさせた後…やっぱりというか何というか、興味深そうに私の事をまじまじと眺める。
「オレが怖い?」
返ってきたのは、そんな問いかけ。
「それとも、食べられるのが怖い?」
首を傾げて、不敵な笑みを浮かべて、
「あんた、食べられた事はある?」
まるで誘い出すように、私に尋ねてくる。
「た、食べられた事…ですか?」
「そう。ある?」
「…無い、です」
「だよね。だろうね」
ニヤリと浮かべるその笑みが、濃いものになった。
「知ってる?ずっと昔は生きた魂も食べられたんだ。生きたまま魂を抜かれるのって、すごく気持ち良いらしいよ」
「…え?」
「あかりは興味ない?気持ち良いの」