死神のお仕事
…どれくらいの時間が経ったのかは分からない。
次に私が目を覚ました時、目に入ってきたのはまたもや白色だったけど、あの時の白とは全く違うものだった。
白。
天井の白。
ベッドのシーツの白。
制服の白。
病院だとすぐ理解出来た私と、そんな私に気が付いたお世話をしてくれていたみたいな看護師さん。
すぐに看護師さんはお医者さんを呼んできて親戚にも連絡が入り、その後は容態を見る事わずか数日にして、 私は退院する事が決まった。
こんなにあっさり…そういうものなのかな。
不思議に思って担当してくれたお医者さんに聞いてみたら、どうやらその気持ちはみんな同じだったらしい。
事故後、打ち所が悪かった私は生死を彷徨ってはいたものの目が覚める可能性がかなり低かったみたいで、正直もうほとんど諦め状態だったとの事。
それが目を覚ましただけで無く後遺症も何も残らず、傷もどんどん治っていって、こんなにも短期間で退院まで漕ぎ着けたのだ。まるで魔法にでもかかったみたいだったよ、なんて真面目な顔して言われてしまった。