死神のお仕事
その言葉に、ゾッと全身の毛が逆立った。本能的にマズイと悟ったのだと思う。力の入らなかった身体に最後の力を振り絞ったかのように硬く力がこもる。
そんな私を見て、セナさんは笑った。クスリと笑って私を抱き上げると、ソファまで運んでそのまま私をそこに寝かせる。そっと…なんだか優しく。
…何?次はどうする気?
なんとか必死に身体に力を込めて起き上がろうとすると、セナさんは「大丈夫、もう何もしない」と、私の頭を撫でながら優しい声色を使って言った。
「ねぇ、約束しない?」
「…?」
やく、そく?
一体何のつもりだと訝しげに視線を送ると、ニッコリとセナさんは笑顔をみせた。
「あんたはこれからもオレに少しずつくれる」
「…はい?」
「それで、それをサエキさんに秘密にする」
「は?いや、そんなの、そんなの無理…っ、」
「でもその代わり、あんたが知りたい事はなんでも教えてあげる。もちろん、サエキさんの事も」
「……え?」
サエキさんの、事も?