死神のお仕事

ずっと思っていた、ずっと考えていた、胸につかえていた言葉が今、形となって溢れ出す。


「私には、サエキさんの事が信じられません」


そう、信じられない。

サエキさんの事は頼りにしているし、感謝もしている。でも分からない事ばかりで、信じられないと思う自分を説得する為の証拠が見つからない。自信が持てない。


「サエキさんの事は好きです。信じたい。でも、知らなきゃ何も信じられない」


本当は信じたいのだ。セナさんに何を言われようと揺るがない意志を持ちたい。セナさんが危険なのは百も承知だ。でもセナさんの言葉もサエキさんの言葉も、どちらが本当なのか判断する材料が私の手の中には無い。それが悔しい。


私の言葉に、サエキさんは黙っていた。黙ったまま私をジッと見つめるその冷たい視線が突き刺さる。

サエキさんにとって、とても面倒な事を言っている自覚がある。ここまでお世話になっておいて、信じられないなんて言い出して、急に癇癪を起こす私はまるで子供。

でも私にだって知る権利がある。方法だって今はある。反抗する手段だってある。

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