死神のお仕事

きっぱりと、ゴネる私に突きつけられた。答えはこれしか無いのだと。何を言おうとそれにしか、辿り着かないのだと。


「あかりちゃんの好きなように、思うままに生きていって。それがサエキさんの願い」


好きなように。思うままに。


「…分かりました」


決めた。そっちがその気ならもう、決めた。
好きなように、やってみせる。


「私は私で、やりたいようにやります」


後で後悔するなよと、そんな気持ちで口にした宣言に、アラタさんはまた困った顔をして笑った。



ーーその次の日、私は早速行動に移す。



「あれ?いいの?こんな所に居て」


急に現れた金髪のこの人は、甘ったるい声で近づいてくる。べったりと肩を抱かれたと思ったら匂いを嗅がれて、恐怖で身体が硬直した。でも、もうこの人を頼るしかない。


「オレに会いに来たの?可愛いね」


ニッコリ笑うセナさんは、ギラリと目を光らせて私を見つめていた。私はセナさんを頼る事に決めたのだ。


< 204 / 265 >

この作品をシェア

pagetop