死神のお仕事

連れられた先、古びた家屋の扉に端末を向けるのは知ってる移動手段。繋がったその先は、真っ白な部屋にベッドが一つ。


「ここは…?」

「キリヤの病院」


白い部屋に入り、パタンとセナさんが扉を閉めた後にもう一度開くと、次は薄暗い廊下に繋がっていた。こっちが目的地の本当の間取りなのだろう。


「診察室、いかないと。でもその前に一回ちょうだい」


振り返ったセナさんがニッコリ笑って扉を閉める。「約束だもんね?」なんて、じっとりと見詰めてくる視線から逃げるように後退りした。


いつ言われるかと内心ドキドキしてたけど、着いた瞬間早速本題に入るとは…でも私だって、大事な人間の魂をそう簡単に渡す訳にはいかない。どうにか粘らないと!


「でも、サエキさんの事をまだ教えて貰ってません」

「まだ貰ってないし」

「渡したらぐったりして聞く余裕がありません」

「ぐったりしないくらいにするから〜」

「前回も少しにするつもりだったって言ってました!」

「そうだっけ?」

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