死神のお仕事

そうですそうですと力強く頷くと、「オレ我慢するの嫌いだからなぁ」とかなんとか。そうだろうなとは思ってましたよ、もう会った時から知ってますと、うんうん頷いて上下する頭を、急にガシッと片手で掴まれた。鷲掴みだ。


「じゃあ早くしよ。何が知りたいの?」


鷲掴まれたまま、いかにも面倒臭いですといった目でセナさんに尋ねられ、頭の痛みで集中出来ない中、ついにチャンスがやってきた事は分かった。何が知りたい?私はサエキさんの何が知りたい?彼の気が変わる前に早く。


「さ、サエキさんって、どんな人なんですか?」





「あ、いやそうじゃなくて、えっと、サエキさんって、なんであそこに居るんですか?」


??


「は、お仕事だからで、管理するのが仕事って言ってたから、えっと、サエキさんは、なんでそんな事してるのか…は、死神だからで、サエキさんが私の面倒を見るのは、助けてくれたからだし、えっと…」


あれ?私、ここに来て何を聞きたかったんだっけ?

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