死神のお仕事

「セナさん、もう魂はあげられません!」

「分かってるよ」

「今だけじゃなくて今後も!セナさん変になってます!変だから離れて!」

「えー」


ゴロゴロ喉を鳴らしてるような気もしてくる…私の魂はマタタビ?


「猫みたいですよ…」


そんなんで良いの?と、憐れみを込めて言ってみると、セナさんはキョトンとして、「そうだけど?」と、返してきた。へ?


「オレ、死神と長生きした猫が合体してる。キリヤの飼い猫みたいなもん」

「……」


そんな馬鹿なとも思うけど、今までを振り返ると確かにセナさんって猫っぽい気がする。キリヤさんの魂の出し入れの経験の一つに、確かに入ってそうな気もする。さぞ可愛くて死なせたくない猫だったのだろう。

「あかりと同じだね」と、言われるのはとても複雑だけど、死神からしたらやってる事は同じ感覚なのかもしれない。死なせないように死神にした相手が猫か人間か、ただそれだけの違いなのだろう。

本当に、死神の世界は訳が分からない事ばかりで目新しい。

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