死神のお仕事


トントン


部屋の扉がノックされて、私の気持ちがピンと張る。今この部屋の外にいて、ノックする人物で思い当たるのはただ一人。


「起きましたね。体調は?」


やっぱり。どこか機嫌のよさそうなキリヤさんである。でも先程の笑い声を聞いてしまった後では、その機嫌の良さがより一層警戒心を煽ってくる。


「あ、えっと、特に問題は無さそうです…」

「そうですか。では早速作業に掛かります。また診察室の方へ戻るのですが、」

「あ、あの!」


どこか早口で話しだすキリヤさんと、どんどん進んでいきそうな展開に、一旦ストップの声を掛ける。すると、キリヤさんはピタリと止まって私を見詰めた。なんだよ、早くしろよとは決して言われていないはずなのに、詰められているような圧がすごい。でも、このまま交換する訳にはいかない。


「サエキさんにいつ会わせて貰えるんですか?」

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