死神のお仕事

「…いいんですか?」

「いいですよ。あなたの言う通り、契約上どこに居ようが執行される訳で、あなたの世話をしないで済む分ボクの仕事は減ると考えました」

「私の世話」

「時間を指定します。あなたがサエキ君に会った瞬間から24時間を経過した時、強制的に交換されます。ボクの元で交換するのであれば、24時間待たずとも、安全に、適正に、交換を行えます。つまり、24時間以内に戻らなければ、安全性を保証しないという事。例え命に関わる事があっても、ボクは一切関与しません」

「……」

「それでも良ければ、サエキ君に会わせます」

「……」


命に関わる事と言われると怖い。でも、24時間以内に戻れば良いのなら、サエキさんに返して、代わりに何か入れて貰うとかして、ここに帰って来れば良い。時間は沢山貰えてるから、サエキさんとも十分に話す事が出来る。

でもなんか…条件が甘い感じがしない?


「サエキさんに会う時は私一人で良いんですよね?キリヤさんは?」

「どちらでも。嫌なら別室で待機します」

「さっきの戻って来るという言い方だと、サエキさんの元へ連れて行ってくれるという事ですか?」

「それもどちらでも。ただ、きっと一瞬だと思います」

「?」

< 236 / 265 >

この作品をシェア

pagetop