死神のお仕事
「…いいんですか?」
「いいですよ。あなたの言う通り、契約上どこに居ようが執行される訳で、あなたの世話をしないで済む分ボクの仕事は減ると考えました」
「私の世話」
「時間を指定します。あなたがサエキ君に会った瞬間から24時間を経過した時、強制的に交換されます。ボクの元で交換するのであれば、24時間待たずとも、安全に、適正に、交換を行えます。つまり、24時間以内に戻らなければ、安全性を保証しないという事。例え命に関わる事があっても、ボクは一切関与しません」
「……」
「それでも良ければ、サエキ君に会わせます」
「……」
命に関わる事と言われると怖い。でも、24時間以内に戻れば良いのなら、サエキさんに返して、代わりに何か入れて貰うとかして、ここに帰って来れば良い。時間は沢山貰えてるから、サエキさんとも十分に話す事が出来る。
でもなんか…条件が甘い感じがしない?
「サエキさんに会う時は私一人で良いんですよね?キリヤさんは?」
「どちらでも。嫌なら別室で待機します」
「さっきの戻って来るという言い方だと、サエキさんの元へ連れて行ってくれるという事ですか?」
「それもどちらでも。ただ、きっと一瞬だと思います」
「?」