死神のお仕事

チラリと、サエキさんを窺った。どんな表情をしてるのか興味があった。すごく嫌なそうな顔をしているか、怒り心頭の顔をしているか、呆れて冷め切った顔なのか…けれどサエキさんは、そのどれでも無い表情をしていた。というか、無。無表情である。


「…いい。分かった」

「さ、サエキさん!」


しかもあっさり受け入れたりして、思わず声を掛けてしまった。なんで?嫌じゃないの?


「だ、大丈夫なんですか…?」

「大丈夫だろ」

「でもサエキさん、なんかキリヤさんにすごい事言われてますけど…」

「あいつは元々あんなだし、本人の魂使うなら本物だしな。感情はともかくやる事は魂と交換するだけで何の企みも無さそうだから問題無いだろ」

「でも、こう、本人の感情が魂に影響するとか」

「誰の何だろうと切り離したら同じ。あいつの自己満足だよ」

「…そうですか…」

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