死神のお仕事
「…サエキ君、そんな顔もするんですね」
キリヤさんの言葉には私も同意だったけど、サエキさんは完全に無視してまた無に戻っていた。
「俺の気が変わらないうちに早くやれ」
やっぱり、サエキさんが俺様なのは誰に対しても変わらないんだなぁ。
ーーそれから私はベッドに横になって、キリヤさんの作業を大人しく受け入れた。腕は管で点滴ようの袋に繋がれていて、吊るされた袋の中にキリヤさんの魂が適量入っているらしい。
今更だけど、魂って何なんだろうと思う。心臓の様に見えるのは私から見た人間の魂。でも死神にはスキンシップで出し入れが出来て、点滴で補給する事も出来る。では、死神の魂は?吊るされた袋自体いつものものと変わらない。これは同じ様なものと認識している私のイメージがそうさせているのだろうか、魂が心臓に見えるのと同じように。
分からない事ばかりだけど、サエキさんがジッと作業を監視してるから、何も可笑しな事にはなっていないのだろうと思う。変なものがあるとか、私には何されても分からないから、やっぱり簡単に交換します、なんて言った自分は馬鹿だったなと思う。