死神のお仕事


「サエキさん!」


勢い良くリビングの扉を開けると、サエキさんは居た。いつものパソコンの前で、座ったまま、こちらに振り返る。


「遅い。仕事が溜まってる」

「へ?」

「リストアップするのがおまえの仕事。これからもよろしくお願いするんだろ?」

「!」


ニヤリと笑うサエキさんが言った。


「まぁ、後ろ向く暇はねぇぐらい使ってやるから、安心してここで働けよ」



ーーまさか、この言葉をこんなに嬉しく思う日が来るなんて。


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