死神のお仕事
「死神は魂を食って生きてる。食わなきゃさっきのおまえみたいに燃料切れになってそのうち餓死するからな」
まぁ生きる為半分、仕事半分みたいな所もあるんだけど、なんて。何食わぬ顔で彼は説明するし、私にもその燃料の必要性はなんとなく身をもって知った…けれど。
だけど、でも。
「あ、あのっ、」
「ん?」
「あの、魂って…その…」
…その先を私は、怖くて口に出来なかった。
分かってる、分かっているのだ。私だってそれに飢えていた。だから彼だって人間だった私の所に来た。だから当時の事、母の事も知っていた。この人ーー死神達は、だから私達の死期に現れる。
「あぁ、人間だよ」
…ーー人間、だよ。
頭の中で、そのフレーズが繰り返される。
「人間の魂。これがこれからおまえが食っていかなきゃなんない物だ」
ーーそれはなんともあっさりと。私の尋ねる意味を察した彼は、あっさりとその答えを私に告げる。
そして一番向き合いたくなかった言葉を、見たくなかった現実を、彼はやすやすと私の目の前に突き出したーーなんとも嬉しそうな、嬉々とした表情で。