死神のお仕事
上に、いく?
思わずキョトンとしてしまう。上に行く、なんてまるで死んで魂を食べられて尚、まだ先があるみたいな言い方だ。
すると彼は、あぁそっか、知らねぇか…なんてポツリと呟くと話を続けた。顎に手を置いて、少し面倒臭そうに顔を顰めながら。
「その後の事は正直俺も詳しくねぇけど、上に昇らせる、そこまでが俺達の役割なんだ。その後は次の奴が上でまた魂を次に廻らせて、次の命になってまた巡っていく…それが死後の道筋、人間の言う生まれ変わりのステップだよ」
「うまれ…かわり?」
「そう。俺達が食うか燃やすかしてやらないとその魂は重くて上がれない、だから命として廻る事が出来ないでその場に彷徨い続けるか、消滅するかしか道が選べない。だから普通魂は生まれ変わる為に死神の手を求めてる」
例えその方法が回収して燃やされるんでもその場で食われるんでも、魂の方からしたら無駄が無くなれば同じ事なんだよ、そう彼は言った。
そして、
「俺達が食わなきゃ生きていけないのと同時に、魂達だってそれが無いと今後の生が無くなるんだ。だから魂がそれ求めてるって事を忘れちゃいけない。だから拒否する事が魂への冒涜になるって事だって、ちゃんと分かってやらないといけない」
「……」