死神のお仕事


「…意地悪ですね」

「? 俺がか?」

「……」

「そんな目で見るなって。実際契約関係で悪さしてる奴が最近多くてさ、おまえみたいな間抜けはすぐカモにされんだろうなと思った俺なりの気遣いだよ」

「……今後は絶対サインしません」

「あぁ、良い心がけだな」


満足げに微笑む彼に、言っとくけどあなたのもだから!なんて思ったのは心の中にしっかりと留めておいた。

だって私、貰った分の魂取られたら死んでしまう訳だ。つまりはこの人に命を握られているって事だ。これからは機嫌を損ねないようにしないといけない、なんだか随分失礼で意地悪そうな人だけども。


「でもまぁ、なんだかんだ言ってこっちの世界に引き入れたのは俺だからな。あの時も言った通りちゃんとその分の責任を負うつもりはある」

「…そうですか」

「ん?なんだよその不審な目」

「い、いえ?別にっ!」



いけないいけない!つい思いを目が語ってしまった。急いで誤魔化さないと…なんて思った時にはもう、時すでに遅し。


「へぇ?いいのか?このまま俺が責任放棄して外ほっぽったらおまえ、飯は食えねぇしハイエナの如く他の死神が寄ってくんぞ?」

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