死神のお仕事


「他の死神、ですか?」

「あぁ、おまえみたいのは珍しいからな。死神にもいろんな奴が居るから…捕まったら何される事やら」

「なっ、何って、一体何を?」

「そうだな…まぁ基本食うだろうな。生きてる人間の魂食うのは禁止だけどおまえは死神でもある訳だし。物珍しがって食いたがる奴多いと思うぞ」

「!」

「あとは実験やら解剖やらしたがる奴も多いと思う。訳あって人間になりたがる死神って結構居るんだけど、そいつらは常にどうしたら安全かつ簡単に人間になれんのか調べてんだよ。だとしたら人間と死神のハーフの身体、なんて絶好の研究対象になるのは明白だろ?」

「 ‼︎ 」

「うん、あとは…そうだな。監禁されてそいつの暇潰しの道具にされたりとか、人間嫌いな奴の良い捌け口になったりとか、犬やら猫みたいな愛玩用の動物みたいに、」

「もっ、もう良いです!良いですもう分かりました!」


お、恐ろしい…恐ろし過ぎる!


スラスラと語られるその数々を想像してしまうと、もう怖くて怖くて…だってもし捕まっちゃったら私逃げられない自信がある。 だってちょっと燃料切れになっただけで倒れちゃうんだから、私を拘束するならご飯をあげなきゃ良いだけの事だ。それにこの人以外の死神になんて会った事も見た事もないんだから、気をつけようも無いというか、なんか話聞いてたら死神には変態しか居ない、みたいな言い草にも聞こえてくるというか…

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