死神のお仕事


そうなのだ。目の前はもう校舎の外。講義室の外、廊下に繋がるはずのドアの先は何故かもうどこか全く知らない場所。


「あぁ、知らねぇか。空間を繋げたんだよ」

「空間⁈ 」

「元ある魂のデータから場所を読み込んで、空間を仕切る部分にデータを送る。すると繋がるって仕組みだ」

「?」

「空間を仕切る部分ってのは次に繋げ易いんだよ、ドアとか窓とか。それ使えばここもすぐ来れたんだけど流石に他の奴が居たら出来ねぇだろ?だから待たせてた。これでいいか?」

「………はい」


なんかもう、よく分かんないけどそういう事らしい。


「…どこでもドア?」

「ま、そんなとこだな」


そういう事らしい。


スタスタと行ってしまうサエキさんに続いて私もドアの向こう側に出ると、そこはもうどこかの街のどこかだった。

本当にどこかとしか言えない自分が情けないけれど、手元の端末を確認したサエキさんは「近いぞ」と辺りを見渡しながら言う。近い…つまり、回収する予定の魂が近くにあるぞという事だと思う。

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