死神のお仕事
ガタガタと震えながら、その場にガクンと膝をついた。
もう見れ無い。魂の事もサエキさんの事も、死神の私も。
もう見たく無い。
「…やっぱり無理か」
サエキさんが小さく呟いた言葉は私の心に触れる事無く、耳から入り脳内をあっさり通り過ぎて出て行った。…もう言葉も入ってこない。心が蓋をしているみたいだ。
「一口でも良い。このまま食った方が身体の保ちが良い」
「……」
「そんなに無理だと思うならもう見なくて良い。目を瞑ってこいつと向き合わなくて良い。だから一口…おまえの中の気持ちに素直になってみろ」
「…嫌だ」
「なんで?死神である以上、欲しがる事は何も可笑しな事じゃない。なのになんでそんなに拒否する?魂がそんなに気持ち悪いか?」
「気持ち悪い…けど、」
「けど?」
「それを美味しそうに思う自分が、もっと気持ち悪い」
まるで死神に乗っ取られていくような、もう人間では無いその感覚に吐き気がした。
拒否する心を失いたく無い。こんなもの受け入れられ無い。だって、
「私は、人間です…」