死神のお仕事


「そうですか…そうですよね……え?」

「ん?なんだよ」

「あ、いえ」


…聞き間違いかと思った。でもそんな馬鹿な…いやでも、だったらそれじゃあ…


「何?そんなにアレが良いっつーならそうするけど?」

「え⁈ あ、そ、そんな事は!」

「まぁそしたらまた時間かかって面倒なんだけどな。でもどうしてもって言うんなら聞いてやらない事もな、」

「いいですっ!違うのが良いんです‼︎ 」


声を張りながら勢いと共に、サエキさんの方へと身体を乗り出していた。恥ずかしいとかそんなのは二の次で…だって本当に、それくらい断固として先程の魂だけは拒否したい…!あんなの目の前で見てすぐにそれをだなんて、無理過ぎる…っ


すると、動揺する私を横目に、サエキさんはやっぱりな、なんて言いたげな笑みを浮かべて、「魂なんてどうせどれも一緒なのに、本当人間は可笑しいよな」…なんて。


「自分を基準に捉えるのがやけに好きな種族だよ。本当呆れるぐらい」

「……」


きっと、嫌味で言ってる訳では無いと思う、嫌な感じでは無かったから。

怒ってる訳でも無いし、注意されてる訳でも無い。ただサエキさんが常日頃感じていた事がポロリと溢れた、そんな感じだったけれど…なんだろう。ごめんなさいと、謝りたい気持ちになった。自分本位でごめんなさいと。

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