死神のお仕事
…その私の言葉は、アラタさんの大きな瞳をより一層大きく開かせた。何故それを?どうして分かったの?そう動きを止めた口の代わりに瞳が尋ねている。
何故…私自身、確実だと言える理由は無かった。でもなんて言うんだろう、私の中では絶対だと確信している、というか…
だって、意味は一人では作れないと思うんだ。
私はそう思ってる。そう思った。母が私の生きる意味であるように、私が死神としてでも生きたいと思えた理由であるように、きっと人は何かを意味にする時、その理由が他の誰かと繋がってるのだと思う。
それが良い想いでも悪い想いでも、きっと一人きりの人間には理由は生まれない。
きっとアラタさんはその人と出会って、その人が理由になったのだろうと思う。だからその人の為に死神になる事が彼の大切にしてきた意味だったのではないかと、そう思う。
そして人間のままでは得られなかったのだとしたら…その相手はきっと人間では無いんじゃないかと、そう思うんだ。
人間じゃないんだと、したらーー
「…すごいね、あかりちゃん。驚いた」
「それらしい事言ったけ?」と、首を傾げて笑ったアラタさんは、「でも、その人の為って訳じゃないよ」と、穏やかな声色で否定をした。