Doll girl
『私がここにいたら迷惑だと思う。いらない出費がかさばるだけだから…』
雄治「…お金は?」
『む…。働く』
お兄さんはため息をついた。
雄治「君みたいな子なら…お店も嬉しいだろうねぇー…言うこと聞くし…」
『…』
お兄さんが黒いんだけど…
雄治「人形の糸は今、タラタラなんだよね…。誰も握ってないよ?」
『…うん…。でも…癖だから』
雄治「じゃぁ誰かの命令は絶対に聞かなくちゃ生きれないの?
沙彩は人間だよ?」
お兄さんが心配してくれているのは十分伝わったよ……
でも…
『…癖だから…。そこに人間や人形は関係ない』
お兄さんは悲しい顔をして微笑んだ。
雄治「損な癖だね」
『私もそう思う』
雄治「沙彩…。俺の腕の中で寝ろ」
『…優しい命令ね…』
私はそのまま目を閉じた。