チャラい彼氏と無愛想な彼女。
⑤
そして放課後。
俺は海菜実ちゃんがいる教室の前で深呼吸した。
ちゃんと海菜実ちゃんに聞くぞ……!!
………悪い理由じゃなければいいんだけど。
「みーなみーちゃんっ!」
「あっ………今行く」
そして昨日と同じように海菜実ちゃんはこっちに歩いてきた。
「よし、帰ろっかぁー」
「うん」
………やっぱり静かだ。
むしろさっきまでの海菜実ちゃんは俺の見間違いのようにすら思えてくる。
いや、でもやっばりあれも海菜実ちゃんだよな。
………ちゃんと話さなきゃ。