チャラい彼氏と無愛想な彼女。
っていうか、俺は今までのデートでなんの話をしながら歩いてたんだっけ……
海菜実ちゃんの前ではかっこ良くきまらないや……
退屈って思われたらどうしよ……
そう思って俺がチラッと海菜実ちゃんを見ると、照れながら少し焦った表情になった。
「ん……?えっ、なに……?」
「いやっ……海菜実ちゃん、楽しい?………退屈じゃない?」
「え………?もちろん、楽しいよっ……?なんか、新鮮っていうか……
こんなかわいい相模くんは初めて見るから………特別感みたいな……?」
「………俺、かわいいの?」
「えっ、いや、何て言うか………いつもは、かっこいいんだけど……
ちょっと余裕のないかんじも、愛しいっていうか………………
………っ、いや、今のは聞かなかったことにして!」
かっこいい………かわいい……愛しい………
海菜実ちゃんの言葉が頭の中で何回もリプレイされる。
俺のこと、そんなふうに思ってくれてたんだ。
「ううん。そんな最高な言葉、聞かなかったことになんかできない」
「っ………」
こんな言葉を聞けただけでも、今日は来てよかったなって思える。
「ありがとね。……とりあえず、今日は楽しもうね」
「…………うん」