欠詞-カケコトバ-
「普通にって言われても…。」
「どうしたよ、ヒカりん?」
「…『ここ』には、私達4人以外誰もいないのよね。だから、コンビニとか、レストランも開かない。なにか作るにしても材料を売る人もいないわ。どうしたらいいのかしら…。」
「勝手に持ってったらいいじゃん?」
「そもそも置いてるのかしら…。」

この世界では、たとえ一切の物を口にせずとも死ぬことはないんだろう。
しかしその場合は、空腹感が消えることなく、その苦痛に延々と耐えることになる。
そう考えると、やはり食事は必要か。

食料確保のについても聞いておくべきだった。

「あの…、ちょっと冷蔵庫の中見てみますね…。」

小鳥が、半ばヒカリから逃れるように小走りでキッチンへ向かった。
こちらからは、カウンター越しにキッチン内が見渡せるようになっている。

少々待ってみる。
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