先生、甘い診察してください*おまけ短編集*
ポンっと頭の上に置かれた手。
「別に気使ってるわけじゃないから。単に俺がさ……」
顔を赤く染めて。
言いにくそうに、彼は言葉を詰まらせた。
「俺は、面倒な事は嫌いだし。気安く女の子とお茶したり、デート紛いな事するわけじゃないから……」
……?
「えっと、どういう事?」
言葉の意図がわからないよぉ……。
「あ-、もうっ!言わせるなよ馬鹿っ!こっ、こうして、夏依ちゃんと一緒にいるの、楽しいからっ……和むし、落ち着くっていうか」
待ってよ。
そんな風に言われたら……。
「もっと、一緒にいたいから、こうして誘ってるわけ……。ったくもう、こんな恥ずかしい事言わせるなっての」
体中が熱くて。
ドキドキして……心が震えちゃう。