先生、甘い診察してください*おまけ短編集*
現状維持な関係が続いていたある日の事。
「嘘、だろ……」
夕方、母さんに頼まれてスーパーに買い物をしに行ったその帰り。
嫌なものを見た。
今、俺の数十メートル先にいるのは学校帰りとおぼしき制服姿の夏依ちゃん。
いつもなら絶対声かける。
でも今は、体が硬直して動けなかった。
だって夏依ちゃんの隣にいたのは紛れもなく……あいつ。
「あやの……旦那」
隣にいるのは以前、俺の恋敵であったあのおっさん。
2人は親しげに、めっちゃ楽しそうにしゃべりながら歩いてる。
めっちゃ仲良しじゃん……。