先生、甘い診察してください*おまけ短編集*
「あやちゃん、この雑誌……」
台所にいたあやちゃんは、「どうしたんですか?」と言いながらこっちに駆け寄ってきた。
「あ、それ……」
「この雑誌さ、廃品回収に出してもいいかな?」
「ダメですよ~。その雑誌はいるんですから」
あやちゃんは頬を膨らませながら、冗談交じりに言った。
「……そのアイドル、好き?」
「はい。大好きです」
あまりに満面な笑顔で言うもんだから、余計に落ち込んだ。