先生、甘い診察してください*おまけ短編集*






「ねぇ彼方、パティシエのお勉強って、やっぱ大変?」

「そりゃ大変だよ。ケーキ作りって意外と体力いるし」



休みの日なんかは、よく父さんにケーキ作りを習ってるけど。



厳しいのなんの。


やり甲斐もあって、楽しいけど……。





「そのうち、このお店継ぐんだよね?」

「あぁ、そのつもり。なぁ……俺がこの店を継いだら、その時は」

「なぁに?」



頬杖をついて、上目遣いで見つめるあやにキュンッと射抜かれた。





「1番目のお客さんになってよ。どんな疲れててもあやの顔見たら元気出るし……パワーがみなぎってくるから!!」



真剣なつもりなんだけど……。





「あははっ」


笑われた。




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