先生、甘い診察してください*おまけ短編集*
「椅子倒すね~」
私の割り込む隙は1ミリもないって嫌でも感じちゃうなぁ。
「そういや、今日は大学は?」
「休校なんです」
「そっかぁ。せっかくのお休みなのに、災難だったね」
「ううん、全然」
最初、ここに来たばっかりの時は診察台に座るのが嫌で。
智也先生に顔を覗きこまれて、歯を診られる事すらも恐怖を感じてた。
すぐ怖がって、泣いてた私を智也先生は怒らずに優しく気長に接してくれた。
他愛もない話をしたり。
治療に使う器具の説明をしてくれたり、触らせてくれたり。
いろいろしてるうちに智也先生が大好きになって、歯医者さんも平気になってた。