先生、甘い診察してください*おまけ短編集*
「智也さん、怒ってないんですか?」
「ふふっ。怒ってないよ~。ただ正直に言ってほしいだけ」
私は智也さんと距離を詰めた。
「あの、ですね……虫歯になってるわけじゃないんですけど、詰めてあるのが、取れちゃったんです」
「そうかぁ。取れちゃったかぁ」
智也さんはベットから出て、部屋の明かりを点けた。
急に室内が明るくなって眩しさで目を細めた。
「取れたのって、どこ?」
「左上の、1番奥」
「見せてくれるかな?ほら、ここに寝転がって」
ベットの上に座った智也さんは自分の膝をポンポンと叩いた。
恥ずかしながらも、渋々言われた通りに寝転がった。