先生、甘い診察してください*おまけ短編集*
あっという間に次の日。
優くんをお兄ちゃんの元へ預けて……。
「ほら、大きくあーんして」
私は2人きりの院内で横になって智也さんに顔を覗きこまれていた。
「本当に診るだけ、ですか?」
「とりあえずね」
「怒ったり、しないですか?」
「ふふっ。怒らないよ~。信用してよ~」
やっぱ怖くて、何度も何度も同じような事を念押して思い切って口を開いた。
問題の箇所を診た後、智也さんは他の歯もじっくり診てからミラーを抜いた。